レッドタートル

息子と映画を観に行った。

ジブリ作品の「レッドタートル」だ。
音、映像、音楽の3つで構成されているこの映画に
セリフは一切ない。

一人の男が無人島に漂着する。
男の国籍、名前、ことそこに至るまでの経緯はなにも
描かれていない。

荒れ狂う海に翻弄され、
流れ着いた島を取り囲むその海の、絶望的な広さ。

これ以上内容を書くのは控えるが、
この映画は今のところ、私の中でナンバーワンだ。

このランキングは
これまで観た映画の感動を忘れているからこそなのかもしれない。

それでも、
この映画は言葉では表現しきれないものを
私に感じさせてくれた。

絶望と、哀しみと、許しと救いは、
誰の人生にもあらかじめ用意されている。

限られた時間と空間に生きることしかできない
ちっぽけな私たちに寄り添う、
神とも仏とも表現し得る「何か」。

私たちは、
その見えない大きな存在に包まれて生を全うし、
命をつないでいく。

この映画に「言葉」が一切含まれていなことが、
受け手である私の思いを膨らませる。

言葉をもたない映画の可能性の大きさを感じた。
作り手の思いは観る側に託されている。

この映画を観た人は
それぞれの思いを胸に、帰途についたのではないだろうか。

一時間半で、セリフもなくて、1800円かあ、
なんて言っていた自分が恥ずかしい。

とてもいい映画だった。