帰省と病身の義父

人は生きているかぎり必ず老いて、 いつか死ぬ。 こんな当たり前のことが 40半ばにもなって、いまだに受け入れられない。 そんな私をあざ笑うかのように、 顔や体に老化の兆しが顕れる。 目の下に刻まれつつある、網目のようなシワ。 早くしないと。 早くやっておくべきことをやっておかないと、と焦る。 先日、主人の実家に帰省した。 ただ、今回の帰省はいつもと違っていた。 義父…

続きを読む

別れ

職場の男性社員が異動することになり、 彼と仕事をするのは昨日で最後となった。 私は飲食店のキッチンにいる。 朝、私より遅く出勤する彼は、いつもキッチンを覗き込むようにして私たちに挨拶をする。 これも今日で最後か。 体調チェックを行い、「よろしくお願いします」という彼。 これも最後か。 彼と一緒に仕事をしている3時間の間、 「ああ、こういうのも」「あの後ろ姿も」「このフ…

続きを読む

レッドタートル

息子と映画を観に行った。 ジブリ作品の「レッドタートル」だ。 音、映像、音楽の3つで構成されているこの映画に セリフは一切ない。 一人の男が無人島に漂着する。 男の国籍、名前、ことそこに至るまでの経緯はなにも 描かれていない。 荒れ狂う海に翻弄され、 流れ着いた島を取り囲むその海の、絶望的な広さ。 これ以上内容を書くのは控えるが、 この映画は今のところ、私の中…

続きを読む