義父に会いに行った

末期がんであと1週間ともたない。 そういわれている義父に会いに行った。 盆と正月がいつもの帰省のタイミングだったが、 初めて、日帰りで帰省した。 道中の車内で、私は緊張した。 怖かった。 でも、義父はこの何百倍の恐怖を、今味わっている。 そう思うと、 私がつまらぬ感傷に振り回されている場合ではないとも思った。 主人の実家に到着して、 義父が臥せっている部屋へす…

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帰省と病身の義父

人は生きているかぎり必ず老いて、 いつか死ぬ。 こんな当たり前のことが 40半ばにもなって、いまだに受け入れられない。 そんな私をあざ笑うかのように、 顔や体に老化の兆しが顕れる。 目の下に刻まれつつある、網目のようなシワ。 早くしないと。 早くやっておくべきことをやっておかないと、と焦る。 先日、主人の実家に帰省した。 ただ、今回の帰省はいつもと違っていた。 義父…

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別れ

職場の男性社員が異動することになり、 彼と仕事をするのは昨日で最後となった。 私は飲食店のキッチンにいる。 朝、私より遅く出勤する彼は、いつもキッチンを覗き込むようにして私たちに挨拶をする。 これも今日で最後か。 体調チェックを行い、「よろしくお願いします」という彼。 これも最後か。 彼と一緒に仕事をしている3時間の間、 「ああ、こういうのも」「あの後ろ姿も」「このフ…

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